[オプション概略]
- -xを指定すれば拡張出力が選択され、今までに説明した様々な戦略で役に立つ欄が追加で表示される。追加の欄は、ワークロードの特性の把握で役立つIOPSとスループットの指標、使用率、キューの長さ、ディスク応答時間などが表示される。
- -dでディスク使用率のみ表示できる(付けないとCPUなども表示される)。
- -kでkB表示となり、-zでアイドルデバイスを表示を省略できる。
- -tでタイムスタンプを出力できる
[出力された欄の意味]
- rrqm/s: 1秒の間にドライバの要求キューにセットされ、マージされた読み出し要求の数
- wrqm/s: 1秒の間にドライバの要求キューにセットされ、マージされた書き込み要求の数
- r/s:1秒の間にディスクデバイスに発行された読み出し要求の数
- w/s:1秒の間にディスクデバイスに発行された書き出し要求の数
- rkB/s:1秒の間にディスクデバイスから読みだされたkB数
- wkB/s:1秒の間にディスクデバイスに書き込まれたkB数
- avgrq-sz:セクター内の平均要求サイズ
- avgqu-sz:ドライバの要求で待機している要求とデバイスでアクティブに処理されている要求の合計の平均
- await:I/O応答時間の平均、ドライバの要求キーで待機している時間nとデバイスのI/O応答時間を含む[ms]
- r_await:awaitの読み出しのみ[ms]
- w_await:awaitの書き込みのみ[ms]
- svctm:ディスクデバイスの推定平均I/O応答時間[ms]
- $util:デバイスがI/O要求を処理していてビジーだった時間の割合[%]
[出力された欄の解説]
- rrqm/s、wrqm/s欄は、パフォーマンスを上げるために、デバイスに送られる前に連続した要求がマージされていることが分かる。この指標は、シーケンシャルなワークロードが処理された兆候である。
- r/s、w/s欄は、実際にデバイスに発行された要求の数の平均を指す
- avgrq-szはマージ後のサイズなので、小さい場合(16セクタ以下)なら、マージできないランダムI/Oワークロードだと考えられる。サイズが大きい場合は、I/O要求のサイズが大きいか、シーケンシャルなワークロードがマージされたことを指す。
- %utilは重要であるが、ビジー状況の計測値に過ぎず、複数のディスクから作られた仮想デバイスではあまり意味を持たないことを頭に入れておく必要がある。そのようなデバイスの場合は、IOPS(r/s + w/s)とスループット(rkB/s + wkB/s)を把握した方が良い。
- svctmは計測値ではなく推測値という不正確な値であり、将来のバージョンでは削除されると警告されている
- 現時点のiostatでは、ディスクエラー情報までは把握できない
- 作者: Brendan Gregg,西脇靖紘,長尾高弘
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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