集団思考[group think]

内容

集団が合議によって意思決定を行うとき、集団の強い結果がマイナス方向に作業して、メンバーが個人で決定を下す場合よりもしばしば愚かで不合理な決定を行ってしまう傾向のこと。
メンバー全員で合意に達成する事が目的になってしまい、現実的な選択肢を評価が出来なくなる。
集団浅慮と訳されている事もある。

集団思考の8つの兆候

米国の心理学者、アーヴィング・ジャニスが指摘した8つの兆候

1.集団は不死身の幻影

自分の所属しているチームが失敗することがないと考え、楽観的になったり、無敵な人になってしまうこと

2.われわれ感情

自分の属する組織以外を敵とみなし、同時に組織外からの意見に対して拒否反応を示すこと

3.合理化

チームで判断、行動した結果で起きた事に対して、自分の責任でその結果が生じたと考えずに、その原因を他人に転嫁する

4.モラルの幻影

自分たちのモラルが他集団よりも高いと考え、チーム固有のモラルに絶対的な信頼を持ち、自分達で考えた内容や制度に疑問を持たない

5.“波風を立てない”よう自己検閲

みんなの意見から外れない様に自分で自分を検閲、抑制する

6.満場一致の幻影

発言者以外が沈黙している場合や、少数での合意でも、全会一致であると思い込む

7.直接圧力

みんなの決定に異議を唱えるメンバーに圧力をかける

8.心の警備

自分達に都合の悪い情報を遮断してしまう

発生しやすい条件

  • 集団凝集性が高い(良い意味でも悪い意味でも群れやすい)
  • 自尊心が高いメンバー構成
  • 優秀なメンバーが多い(その結果、俺達すげぇー!と酔ってしまいやすい)
  • 過去の成功体験など功績が多い(如何なる時も謙虚であれというゆえんか)

改善方法

  • 異なる意見を許容し、議論が活発になる様にリーダーが誘導、配慮する
  • リーダーは自身の意見を時には抑え、リーダーの意見に賛同すること自体を望んでいる訳で無い事を明確に告げる
  • 外部情報から孤立させない
  • 時間の制約を意識させすぎず、慌てさせない
  • 十分に情報を収集し、場合によっては棄却した代案の再検討を行う

その他集団が陥りやすい現象とその対策

リスキーシフト

集団で決定する事で通常では選ばないであろう極端な意見が魅力的に見えて採用してしまうこと。
集団内で議論を繰り返し競い合っていると、最初個人が持っていた意見よりも極端に偏った意見が集団として採用してしまう。
→リーダーはチームがどの様な意見が採用されやすいかを予め把握しておき、客観的にグループ内の意思決定を評価する必要がある

社会的手抜き

チーム作業では、個人で努力する時よりも個人が注入する努力量が減少することが多い。
集団としての生産性は4人の時が最も高い傾向が多いが、それでも個人の生産性だけで着目すると1人の時が高い事が多い。
→リーダーはチームのアウトプットが個人の努力と成果との関係を明確にして、公平に評価している事をメンバーに伝え、評価を実施する必要がある。