P84 ソフトウェアプロジェクトにおける心理的安全性

心理的安全性はアットホームな職場の意味ではない

心理的安全性とは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授が
自著内で提唱した概念「サイコロジカル・セーフティ」を日本語に直訳したものである。

心理的安全性の直接的な定義は同書で次のように定められている。

チームにおいて、ほかのメンバーが自分が発言することを恥じたり、
拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、
チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態

心理的安全性の高いチームとは、意見や考えを戦わせ合う事ができることを指している。
仲良しだけど、同調圧力が強い、疑問を見て見ぬふりをしてしまうのが多いチームは、
心理的安全性は低いチームであると言える。

心理的安全性の4つの「大丈夫」と「不安」

心理的安全性を支える大丈夫 心理的安全性を下げる不安
「ここにいても」大丈夫 「ネガティブだと思われる」不安
「意見を言っても」大丈夫 「無知だと思われる」不安
「間違いを認めても」大丈夫 「無能だと思われる」不安
「助けを求めても」大丈夫 「邪魔をしていると思われる」不安

どうやって測定するのか

心理的安全性を測る7つの質問
1.チームの中でミスをすると、たいてい非難される
2.チームのメンバーは、困難な課題も提起し合える
3.チームのメンバーは、異質なものを排除することがある
4.チームに対してリスクをとる行動をしても安全である
5.チームのほかのメンバーに助けを求めることは難しい
6.チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的に貶めようとしない
7.チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる

但し、アンケートで計測される対象も人間なので、現状に満足していれば悪い評価をあまりしない。
健全でないチームであっても、悪い結果書いたら後で改善とかに付き合わされて面倒だからいい評価みたいなケースもありえる。
そのため、
・定期ミーティングに出るメンバーが偏っている
・振り返りで発言があまり出ない
・雑談の中で仕事の質にかかわる会話が減っている
・メンバー同士の陰口が増えている
・あの人が言っているから仕方ない
みたいな定性的な兆候で理解することも重要である。

上記はほんの一部かいつまんだだけに過ぎないので、実際の記事は以下に記載されています。

心理的安全性について記載されている書籍の日本語版